高野山と検索すると、比較的上位に表示されるこの宿坊は、さらにネットで検索すると料理の評判が良いらしく、そのレシピが本にもなっていた。
その本は、アマゾンのレビューもよいようであった。
しかし、高かった。
最低プランでも14000円と言われた。それは、訳ありコースと書かれており、部屋を選べないというもの。
もともと、部屋を選ぶつもりはなかったが、ページに書かれていた9000円という金額は閑散期金額であり、繁忙期の今は、14000円なのだとのこと。
表示された金額と違う金額を聞いて、それもこちらから質問して初めて分かったことなので不信感を感じ、二の足を踏んでしまった。
検討してからかけなおすと言い、一旦電話を切ったが、結局2時間後には電話をしていた。その間何を考えていたのか、決断した理由はなんだったのか、よくは覚えていない。
ともあれ、一乗院に着いた。
玄関で、風呂の場所、受け付けの場所を説明され、部屋まで案内された。
境内は広く、私の部屋は一番奥の角部屋だった。
それが良いのか悪いのかは分からなかったが、静かだったので、助かった。
部屋に通されると、一日のスケジュールについて、丁寧な説明を受けた。夕方5:30には食事となり、門限は9時であること、
明日の朝6時に本堂で、勤行があること、その後8時から阿字観という瞑想が受けられるとのことだった。
阿字観、写経は、それぞれ別途1000円かかった。
また、後に繁忙期料金として1000円がさらにかかり、合計として17000円が一泊の料金だった。
繁忙期料金というのが納得できなかったが、たかだか1000円をごねるのもと思い、支払ってしまった。何かに負けた気分だった。
部屋に荷物を置いて、少し辺りを散策した。
近くには、観光協会、郵便局、めしや、菓子屋などがあり、どうやらそこが高野山という町の中心であることは、すぐにわかった。
金剛峰寺まで、足をのばした。意外と人気がなく、閑散としている。少々、がっかりした。この程度なのか、高野山は、と。
みやげやに戻り、パワーストーンなどが数珠として、かなりの高額で売られていた。売り方に興味を持ち、しばらく眺めたが、食事が早かったことを思い出し、宿に戻った。
風呂に入り、部屋で休んでいるとすぐに食事が運ばれてきた。
それは、見た目も美しく、味もかなりおいしい、本気の料理だった。
これなら本になるのもうなずける。
だしの取り方、もりつけ、火加減、どれをとっても、神経を使っていることが、味として伝わってきた。
また、精進料理であるため、いわゆる肉と魚を使わない。
それなのに、物足りないと感じることがない。
不思議になることがある。
なぜ、大きな寺や神社などがある町の料理はうまいのだろう。
伊勢神宮の参道に、おかげ横町と呼ばれる古い趣をもった町があるが、そこの料理もおいしかった。
そこには、金儲けを目的としてはたどり着けない、何かが感じられた。
修行の一環なのだろうと、思った。
料理。
ただ、作るのではなく、そこに何か、思いや生き方のようなものを、かけている。
そんな味だった。
料理を頂いた後は、適当な時間にお坊さんがやってきて、料理を片付け、布団を敷いてくれた。
いたれるつくせりである。
私は満たされた気持ちで、写経を始めた。
用意された紙には、下に薄く文字が書いてあり、それをなぞると、般若心経が完成する。
最後に、住所と名前を書く欄があり、願い事を書く欄がある。
願い事を書いた後は、少しネットをした。
一乗院は、全室にLANが整備されていた。
モジュラージャックがあり、ケーブルをもってくれば、ネットにつなげられる。
ケーブルをもってきていなかったので、ケーブルを借りたが、いざつなげようというときに、MacBookAirには、有線LANをつなぐケーブルがついていないことに気がついた。
USBを使ったアダプタが必要なのである。
結局、私は新幹線で繋げていたと同じ要領でネットにつなげ、FaceBookに旅の実況中継などをした。
また、オズクリスタルのお客様から問い合わせがあったので、その対応もした。
そして疲れていたので、22時前には寝てしまった。
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